出会い系サイトの女性と不倫する夫

『夫のスマホをチェックしたところ、出会い系サイトをやってる事がわかりました』という主婦Yさんからのご相談。

相手女性と交わしているメールのなかには、『はやくA美(相手の名)と会いたい』とか『Hが楽しみだよ』といった言葉もあったそうです。

相手女性とは週末に会うつもりのようでしたが、会う前にYさんにバレてしまったので、結果的には会わなかったようです。

でも、相手と約束していたことは事実ですし、いくらHがなかったとしても、Yさんとしてはとても素直に許す気になれず、離婚も考えているそうです。

今回のご相談は『離婚の際には双方に慰謝料を請求したいが、今回のことはあくまで未遂なので浮気とは言えないのですか?』という内容でした。

まず、出会い系サイトだろうとなんであろうと、夫婦以外の相手と性的交渉があれば、民法で定められている「不貞行為」(770条1項1号)に該当します。

これは、夫婦の貞操義務に反するレッキとした法律違反で、夫や相手女性に慰謝料を請求したり、妻の一存で離婚を主張することができます。

では、Yさんのご主人のように、相手と会う約束をしたところでバレてしまい、結果的に会わずに終わったときはどうなのでしょうか。

自分から思いとどまって会わないことにしたならともかく、バレたから会わなかったというのは、単に「会えなくなった」だけのことであり、精神的には浮気したのと同じ状態です。

妻として、許せないと感じられるのも当然だと思います。

出会い系サイトで相手を求めて出来た関係ですから、もしも会っていれば、かなりの確率で肉体関係につながったと思われます。(会ってみたらタイプの女性ではなかったので、何もせず帰ってきた、というケースも考えられなくはないですが…)。

しかし、法的な観点からは、現実に肉体関係に至らなかった以上、「不貞行為」には該当しません。

もっとも、H系サイト上で約束を交わすだけであっても、その程度によっては、「婚姻を継続し難い重大な理由」(民法770条1項5号)にあたると判定される可能性はあります。

また、将来肉体関係をもてば、その時点で同条項の1号に該当します。

しかし、1回の「不貞行為」だけで妻が離婚を望んだ場合、他の事情にかかわらず離婚請求が認められるかといえば、少々難しい場合もあるすようです。

そのため、裁判において確実に勝てる証拠が欲しいときには、あえて2、3回は相手と会わせて事実関係を固め、ふたりの関係を証明できるようにしておくことも必要になってきます。