十分な証拠が確保できたら、次は奥様と話し合いをしなければなりませんね。
でも、話し合いをするというのは、勇気がいりますよね。
私のもとに相談を寄せられる方のなかにも、「妻が浮気をしていることは確実なのですが、事実を認められることが逆に怖くてなかなか言い出せません」とか、「浮気を認めるかわりに、妻が離婚を切り出すのではないかと思うと怖いです」という方がたくさんいらっしゃいます。
確かに、話し合いというのは、それまで曖昧だった部分について明確に出来る可能性がある半面、それを知ってしまうことによる『結果』がともなってきますし、怖いと思うのは当然だと思います。
大事なのは話し合いをする際の姿勢です。
たとえばあなたが、『証拠もあるし、不倫をしていることはわかっているんだ』と追求していく姿勢を見せるか、それとも、『君を愛しているし、家族の幸せを守りたいから、不倫はやめて欲しいんだ』といった姿勢でいくのかでは、話し合う内容の方向性や相手の反応、態度も大きく違ってきます。
特に不倫の理由が、単なる好奇心や刺激を求めてだったり、夫が仕事が忙しくて寂しいなどの場合には、話し合うことでそれまで満たされなかった心の溝を埋めることができたり、互いの理解を深め合うことにつながり、一度は相手男性に気持ちが傾いたとしても、夫のもとに帰りたいという心情に変わっていくことも少なくありません。
そして、話し合いにしていくなかで、現実的な問題に気付かせていく、ということも重要なポイントです。
これは浮気相手はあくまで恋愛対象であって、今の生活を壊す気はない、と考えている妻には特に効果的です。
不倫をしているときは、言ってみれば夢の中のような感じで現実が見えなくなっていることも多々ありますが、もしも離婚ということになった場合、夫の収入や今持っている財産、子どもとの関係、生活環境の変化、将来的に得るはずだったものなど、妻自身が失うものの大きさに目を向けざるを得なくなります。
お金の問題なら、本人があきらめれば済むことかもしれませんが、子どもに影響が及ぶとなると、そう簡単に割り切れる問題ではないはずです。
ただ一方で、そうした現実的なデメリットを考えても、相手男性と一緒にいるほうを選ぶケースもあります。
それは思いの深さの問題もありますし、それまでの夫婦関係が背景にあったり、夫婦関係がすでに破綻しているとか、愛情が冷めている夫婦だったり、妻の意識のなかで、夫が「他人」になってしまっている場合は、夫の元に戻ること自体を考えないので、離婚を切り出される可能性は高くなります。
もちろん、夫であるあなたの心情として、経済的な問題などが理由で妻が戻ってくることは、必ずしも受け入れられることではないと思います。
心から自分の不倫が過ちだったと認め、自分が愛すべきは夫であり、守るべきは夫婦、家族の幸せなのだと、奥様自身がしっかり認識されたうえで、夫婦としてやり直していく、ということが大前提になるでしょう。